食品・薬品安全性研究ニュース第49号目次 |
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血清中ダイオキシン濃度と子宮内膜症:イタリア, セベソにおけるダイオキシン曝露集団でのコホート調査 Serum dioxin concentrations and endometriosis: A cohort study in Seveso, Italy
以上の結果から, 血清中 TCDD レベルが 100 ppt より高い婦人では子宮内膜症になる危険性は2倍と算定されるが, 有意差はなく, 明瞭な用量反応性もない. 著者らは, 調査方法に限界があることを認め, 全症例に腹腔鏡を行ってはいないことから, 疾病の分類に誤りがあっても除外できないため, 子宮内膜症の真の危険性を低く見積った可能性もあるとしている. Environmental Health Perspectives 110 (7): 629-634 (2002) Eskenazi B1, Mocarelli P2, Warner M1, Samuels S1,3, Vercellini P4, Olive D5, Needham LL6, Patterson DG, Jr.6, Brambilla P2, Gavoni N4, Casalini S2, Panazza S4, Turner W6, Gerthoux PM2 (1州立 California 大学 Berkeley 校 公衆衛生学部 小児環境健康センター, Berkeley, CA; 2Milano-Bicocca 大学 医学部 Desio 病院, 実験医学科, Desio-Milano, Italy; 3州立 California 大学 Davis 校 疫学・予防医学科, CA, USA; 4Milan 大学 医学部 産婦人科, Milan, Italy; 5Yale 大学 医学部 産婦人科, New Haven, CT, 6疾病管理予防センター, 米国立環境保健センター, 環境保健実験科学部門, Atlanta, GA, USA) 出生前ダイオキシン曝露を受けたラットにおける大脳皮質優位性の変化にみられる性的二型性 Sexually dimorphic alterations of brain cortical dominance in rats prenatally exposed to TCDD
その結果, 対照群の雌雄出生児における大脳皮質は曝露群のそれと比べて左右ともに厚くなっていた. TCDD 曝露群の雄出生児では, 領域17および39において右半球の優位性が左半球に転換していた. それに対して雌ラットの脳では右半球優位の傾向がより顕著に認められるようになっていた. しかし, 未成熟期および成熟期における自発運動量には, 用量間で差は認められなかった. これらの成績から出生前における TCDD 曝露は皮質の厚さを減少させ, 大脳皮質の正常な左右不対称性を変化させることが明らかになった. このことは, TCDD 曝露が行動の性的二型性に及ぼす影響に一致した変化であると著者らは結論している. Journal of Applied Toxicology 22: 129-137 (2002) Zareba G1, Hojo R1, Zareba KM1, Watanabe C2, Markowski VP3, Baggs RB1, Weiss B1 (1Rochester 大学 医科歯科部 環境医学科, Rochester, NY; 2東京大学 人類生態学分野, 東京; 3Southern Maine 大学 心理学科, Portland, ME, USA) 出生前ダイオキシン曝露による行動反応の性的二型性 Sexually dimorphic behavioral responses to prenatal dioxin exposure
その結果, 母動物の分娩状態や出生児の成長には TCDD 曝露の影響は認められず, いずれの動物も3〜4日の訓練でレバー押しを学習した. TCDD 曝露は性的に2型の (雌雄で相違する) 反応を誘発し, 全体的に, TCDD 曝露雄は対照群の雄と比べて低い割合で反応し, 曝露雌では対照群と比べて高い頻度で反応した. 同腹の雌雄の間で複合試験から得られた算出値の差を求め, それと TCDD の用量との間で2次の多項回帰曲線を作成し, それに0用量モデルを適用して TCDD の1%有効用量 ED01 および10%有効用量を基準用量として算出したところ, FR 反応率における雌雄差の平均 ED10 は 2.77 ng/kg で95%信頼限界の下限は 1.81 ng/kg であった. また, その ED01 は 0.27 ng/kg で95%信頼限界の下限は 0.18 ng/kg であった. DRL 反応率の雌雄差に関しては, 平均 ED10 は 2.97 ng/kg で95%信頼限界の下限は 2.02 ng/kg であり, ED01 は 0.30 ng/kg で95%信頼限界の下限は 0.20 ng/kg であった. これらの値は互いに近接していたが, 現在, 毒性等価に基づいて推定されているヒトにおける体内蓄積量の 13 ng/kg を下回る値であった. Environmental Health Perspectives 110: 247-254 (2002) Hojo R1, Stern S1, Zareba G1, Markowski VP2, Cox C3, Kost JT3, Weiss B1 (1Rochester 大学 医科歯科学部 環境医学科, Rochester, NY, 2Southern Maine 大学 心理学科, Portland, ME, 3Rochester 大学 医科歯科学部 生物統計学科, Rochester, NY, USA) 周産期投与したビスフェノールAの雌雄ラットの社会的性行動に及ぼす影響 Effects of perinatal exposure to bisphenol A on sociosexual behavior of female and male rats
Environmental Health Perspectives 110: 409-413 (2002) Farabollin F1, Porrini S1, Seta DD1, Bianchi F2, Dessì-Fulgher F2 (1Siena 大学 人類生理学研究所, Siena, Italy, 2Firenze 大学 動物生物学遺伝学科, Firenze, Italy) ポリ塩化ビフェニル類の胎児期曝露はラットの性行動に影響を及ぼすか Developmental exposure to polychlorinated biphenyls affects sexual behavior of rats
雄の実験群は, 実験と同様のホルモン前処置を受け, さらに性行動の経験のある非実験群の卵巣摘出雌ラットが置かれた領域に自由に出入りできる箱に入れて, 性行動を観察した. その結果, 雄の実験群の性行動には PCB 曝露の影響は認められなかった. また, 肛門生殖突起間距離など雌に認められた PCB 曝露の影響は雄には認められなかった. 今回の実験では, 母動物および出生児に対する毒性変化は認められず, 出生児の外陰部奇形も観察されなかった. Physiology & Behavior 75: 689-696 (2002) Wang XQ1, Fang J2, Nunez AA3, Clemens LG4 (1Leshan 教育大学 生物学科, 四川省, China; 2臨床評価科学研究所, Ontario, Canada; Michigan 州立大学 3心理学科, 4動物学科・神経科学プログラム, MI, USA) 遺伝子組換え食品:食品アレルギー Genetically engineered foods: Implications for food allergy
遺伝子組換え食品の遺伝子は, アレルゲンとなるタンパク質を合成する可能性があり, 安全性評価にアレルゲン性試験も含まれるべきである. このアレルゲン性試験は, 遺伝子組換え食品の開発の遺伝子選択の段階から関わるべきである. 例えば, 真菌感染による穀物の病気を防ぐためにキチナーゼ (キチン加水分解酵素) 遺伝子を選択する場合, キチナーゼのアレルゲン性試験を実施しなければならない. 選択された遺伝子自身にアレルゲン性がみとめられなくても, 新種のタンパク質を合成する可能性があり, これについては, International Life Sciences Institute と International Food Biotechnology Council 共同のタスクフォースや, FAO, WHO などが, アレルギー患者の血漿イムノグロブリンEを用いた免疫反応性試験を含む安全性評価の決定樹を作るなどしているが, この方式には賛否両論がある. しかし, 安全性評価法には遺伝子の母体のアレルゲン性評価, 新種タンパク質と既存のアレルゲンの配列類似性の検討, およびペプシンへの抵抗性試験が必要であるという一般的な合意はある. これまでの研究で, 市場供給を許可された穀物へのアレルギー反応は認められていない. 上記の評価法に幾つかの遺伝子組換え食品を当てはめて検討してみる. Glyphosate 耐性ダイズ (GTSs) は除草剤の glyphosate に耐性を持つよう改良されている. GTSs は Agrobacterium 属の CP4 から glyphosate 耐性である 5-enolpyruvylshikimate-3-phosphate 合成酵素遺伝子 (CP4 EPSPS) を導入した. この細菌自体にアレルゲン性は認められておらず, EPSPS は多くの植物, 細菌, および真菌に存在し, 人は食事を通じて, 何世紀もの間 EPSPS 関連酵素に曝露されている. また, CP4 EPSPS と既存アレルゲンの配列類似性も認められず, ペプシンによって急速に消化される. したがって, CP4 EPSPS を組み込んだ GTSs が新種のアレルゲンを含む可能性は低い. トウモロコシは害虫に抵抗性をつけるため, Bacillus thuringiensis から幾つかの遺伝子を導入されている. その中に Southern corn borer に抵抗性のある cry9c 遺伝子を導入したスターリンクコーンがある. まだヒトの食糧としては承認を得ていないスターリンクコーンは, 動物の飼料としては米国で認可されていたが, ヒト用の食品にスターリンクコーンが混入されているのがみつかり, 2000〜2001年にかけてリコールされた. アレルゲン性については, cry9c 遺伝子の母体バクテリアにはアレルゲン性はなく, Cry9C タンパクと既存アレルゲンの配列類似もない. しかし, Cry9C タンパクはある条件下でペプシンによる加水分解に抵抗性を示すことから, アレルゲン性が疑われヒトの食糧としては承認されていない. 高メチオニン大豆は, 高メチオニンタンパクを合成する遺伝子をブラジルナッツから導入した. ブラジルナッツのアレルゲン性は明らかにされているが, そのアレルゲンは知られていない. Nordlee らは, ブラジルナッツアレルギー患者の血清を用い, 高メチオニン大豆および精製された高メチオニンタンパクのアレルゲン性試験を行った結果, ブラジルナッツから導入された遺伝子はブラジルナッツアレルゲン (Ber e 1) の情報をもつ可能性があることがわかった. この結果は, 3人のブラジルナッツアレルギー患者の皮膚プリックテストでも確認された. したがって, 高メチオニン大豆は市場には供給されなかった. 遺伝子組換え穀類は, 伝統的な品種改良と比べても, ほんの一部しか遺伝子が組換えられておらず, 新しいタンパク質の発現レベルは極めて低いと考えられる. 従って, これらの新しい蛋白質への消費者曝露も低く, アレルギー感作は起こりにくいと予想される. それでも遺伝子組換えによって作り出された食品は, 世界中の規制関連省庁などから食糧として承認される前に, アレルゲン性など安全性を評価されるべきであるが, その評価法の適正さについては科学的にも規制の方法についても論争は続いている. Current Opinion in Allergy and Clinical Immunology 2: 249-252 (2002) Taylor SL, Hefle SL (州立 Nebraska 大学 食品アレルギー研究プログラム, Lincoln, NE, USA) 食品加工会社におけるIV型アレルギー反応の実情 Type IV allergy in the food processing industry: sensitization profiles in bakers, cooks and butchers
アレルゲンプロファイルを定性的および定量的に解析したところ, 全被験母集団と比較して食品加工会社の従事者は, 硫酸ニッケル (22.4% vs. 17.2%), ゴムの加硫促進剤であるチウラム混合物 (4.9% vs. 2.6%), ホルムアルデヒド (3.5% vs. 2.1%), 合成品混合物 (6.2%) に対して有意に高い感受性を示した. これに対してチメロサールに対する感受性 (4.5% vs. 6.9%) は有意に低値を示した. これらのことから食品加工従事者に対するパッチテストとして, 個人の履歴に従った患者の関与した製品と同様にゴムや合成品混合物系のような標準となる物質を使用することも必要であると考えられた. こうして得られた結果によって予防や治療の方針を立てることが可能となる. Contact Dermatitis 46: 228-235 (2002) Bauer A1, Geier J2, Elsner P1 (1Friedrich-Schiller 大学 Jena 校, 皮膚科学・アレルギー学科, 2Göttingen 大学 皮膚科学科, 皮膚科情報ネットワーク (IVDK), Germany) 殺虫剤曝露が免疫グロブリン類および補体類の血清レベルに及ぼす影響 Effects of pesticide exposure on serum immunoglobulin and complement levels
過去3年間で最も一般的に使用された殺虫剤はピレスロイド系殺虫剤であった. 有機リン系およびカルバメート系殺虫剤の使用量は, 発赤や接触性過敏症が起こるという労働者の訴えにより減少しているが, 採血を行った時点ではアレルギーを示唆する臨床検査データや類似した所見を示す労働者はいなかった. 測定した免疫グロブリン類および補体のうち殺虫剤散布作業者の血清中 IgG, IgA, IgM および C3 レベルは対照群との間で差が認められなかったが, C4 レベルは殺虫剤散布作業者で有意に低下した. しかし, 曝露期間との間に相関はなかった. また, 安全教育を受けず, 殺虫剤散布の際に手袋やマスクなどの防護具を着用していなかった9名とそれ以外の24名の殺虫剤散布作業者との間で, 免疫グロブリン類および補体の測定値に差は認められなかった. 今回の結果から複数の殺虫剤による慢性的曝露が血清中 C4 レベルを低下させるとは結論できないが, 殺虫剤による影響を除外することもできない. 今回測定したのとは別の免疫指標 (例えば CD4/CD8 比, IL-8, ネオプテリン濃度など) や臨床的および臨床化学的に被験者を追跡調査すること等についても検討する必要があると著者らは述べている. Immunnopharmacology and Immunotoxicology 23 (3): 437-443 (2001) Ündğer U, Basaran N (Hacettepe 大学 薬学部 薬剤毒性学科, Ankara, Turkey) 心臓および肝臓でみられるアドリアマイシン誘発急性毒性は,アンジオテンシン変換酵素阻害薬併用により軽減する Potential protective role of angiotensin-converting enzyme inhibitors captopril and enalapril against adriamycin-induced acute cardiac and hepatic toxicity in rats
アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬は,心筋保護薬として一般に使用されており, また,強力なフリーラジカルスカベンジャーであることが知られている.従って本研究では, ACE 阻害薬であるカプトプリルおよびエナラプリルが,アドリアマイシン誘発心および肝毒性に対する防御作用を有するかどうかをラットを用いて調べた. さらに, この防御作用において抗フリーラジカルメカニズムが関与するか否かについて調べた. 体重 150〜180 g の成熟雄性ラットを6群に分け,第1〜3群の動物には,0.5 mL の水, カプトプリル 10 mg/kg またはエナラプリル 2 mg/kg をそれぞれ7日間胃内投与した.第4群の動物には,アドリアマイシンを 15 mg/kg 腹腔内単回投与した.第5および6群の動物には,それぞれカプトプリル 10 mg/kg およびエナラプリル 2 mg/kg を投与した後,アドリアマイシン 15 mg/kg を投与した.アドリアマイシン投与後30時間に,採血して血清を得, グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ (GPT),グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ (GOT),クレアチンキナーゼアイソザイム (CK-MB) および乳酸デヒドロゲナーゼ (LDH) レベルを測定した.また,心臓および肝臓をホモジナイズして,脂質過酸化のインディケータであるチオバルビツール酸反応物質 (TBARS),スーパーオキシドディスムターゼ (SOD) 活性,カタラーゼ (CAT) 活性およびグルタチオン (GSH) 量を測定した.アドリアマイシンを単回投与した第4群の動物では,心臓および肝臓の TBARS が有意に増加し,SOD 活性が阻害され, 血清の GPT,GOT,CK-MB および LDH が上昇して急性心毒性が示唆された.また,心臓および肝臓の GSH 量や,心臓の CAT 活性には影響がみられなかったが,肝臓の CAT 活性は上昇した.ACE 阻害薬を前投与した第5および6群の動物では,心臓および肝臓のアドリアマイシンによる TBARS の上昇は有意に抑制され,SOD 活性の阻害が低減した.さらにカプトプリルおよびエナラプリルは,アドリアマイシン投与による血清 GOT,GPT,CK-MB および LDH レベルの上昇を有意に抑えた. 以上の結果から,ACE阻害薬は,抗酸化作用によって心臓および肝臓でみられるアドリアマイシンの急性毒性を減弱することが示唆された.ACE阻害薬とアドリアマイシンの併用は,アドリアマイシンの急性毒性に基づくこれらの臓器障害への対処法として有用かもしれない. Journal of Applied Toxicology 21: 461-473 (2001) Abd El-Aziz MA1, Othman AI2, Amer M2, El-Missiry MA2 (Mansoura 大学 1医学部 薬理学科, 2理学部 動物学科, Mansoura, Egypt) 牛肉および牛糞中に存在する腸管出血性大腸菌O157, O111, O26のリアルタイム PCR を用いた検出および定量 Detection and quantification of enterohemorrhagic Escherichia coli O157, O111, and O26 in beef and bovine feces by real-time polymerase chain reaction
eaeR-PCR 試験では, EHEC O26 (77bp の EHEC O26 特異的 eae 遺伝子配列), O111 (88bp の EHEC O111 特異的 eae 遺伝子配列), O157 (106bp の EHEC O157 特異的 eae 遺伝子配列) それぞれの特異的な eae 遺伝子配列部位の増幅並びにリアルタイム検出のために, 3セットのプライマ - と TaqMan プローブを選択した. また, stxR-PCR 試験では, stx 1 遺伝子 (150bp の stx 1 特異的遺伝子部位) および stx 2 遺伝子 (200bp の stx 2 特異的遺伝子部位) の増幅および検出のために, 2セットのプライマ - と TaqMan プローブを用いた. 既知の病原因子マーカーを有する67菌種から DNA を調製し, これらを用いて2つの試験方法の特異性を決定するために試験した. eaeR-PCR 試験では, eaeO157 および eaeO111 特異的プライマー - プローブセットを用いることにより EHEC O157 および O111 のみをそれぞれのプラーマー - プローブセットで検出した. また, eaeO26 特異的プライマー - プローブセットを用いた場合は, 全ての EHEC O26, 幾つかの志賀毒素陰性腸管出血性大腸菌並びにウサギ下痢性大腸菌と交差反応性を示していた. 一方, 定量試験における両 R-PCR 法の検出範囲は, 103〜108 cfu/mL の EHEC に対応した DNA 濃度で直線的かつ相関係数の高い定量性を示した. いずれの試験方法でも改良トリプチケース・ソイ液体培地で16時間培養することにより, 糞便中あるいは牛肉中いずれでも非常に低濃度 (1〜10 cfu/g) の汚染でも検出並びに定量が可能であった. さらに, 対象と異なる細菌が 107 cfu/g 以上存在しても検出に影響は見られなかった. 以上のことから, eae 遺伝子および stx 遺伝子に基づく R-PCR 法は, 家畜や牛肉製品中に存在する重要な血清型 EHEC の迅速, 特異的, かつ定量的に検出するために確実で感受性の高い手法であると考えられる. Journal of Food Protection 65: 1371-1380 (2002) Sharma VK (米国農務省 農業調査局, 国立動物疾病センター 未収穫食物安全および腸疾病研究班, Ames, IA, USA) 河川細菌によるビスフェノールAの分解 Bisphenol A degradation by bacteria isolated from river water
細菌の同定は,生化学的特性検査,光学顕微鏡による形態の観察,培地上の集落観察, 16S ribosomal DNA 解析および API 20NE 試験により実施した.分解試験では河川水に 1 mg/L になるよう BPA を添加して遮光下30℃で好気的または嫌気的条件下に静置後,経日的に採水してメンブランフィルターで濾過し, HPLC で分離して蛍光検出器で BPA を定量した. 好気的条件下では3河川水とも半減期2〜3日の速度で BPA を分解し, 7日目には1/10以下,10日目には検出限界 (0.005 mg/L) 以下となった.しかし,嫌気的条件下では10日目でも90%以上の BPA が残存していた. 一方, 河川から分離した細菌11種のうち10種に BPA 分解能があり, 10日間での分解率は18〜91%であった.最も高い BPA 分解能を有する2種の河川細菌はシュードモナス属の菌 Pseudomonas sp. と Pseudomonas putida であった. Archives of Environmental Contamination and Toxicology 43: 265-269 (2002) Kang J-H, Kondo F (宮崎大学 農学部 獣医公衆衛生学講座, 宮崎) |
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